ノロノロ台風と行く!万座3日間室内の旅
暇だからできること
地域ブランドの最下位を争う群馬ですが、そんな群馬なりにも魅力の多い場所は実はかなりあるんです。と言っていながら、行ったことのない場所ばかりなのですが。毎年恒例になっている小学生(清心幼稚園の卒園生)との夏合宿で、万座に行って来ました。この夏合宿は例年ですと、彼ら小学生が幼稚園の頃にみんなで行った志賀高原に行ったり、最近ですと、僕が被災地支援で縁深くなった宮城県塩竈市に行ったりしています。と、そこへ急に今年は万座になったわけですが、それまで僕も知らなかったんですが、万座と志賀高原は実は隣り合っているんです。宿泊地が万座温泉を楽しめるホテルになった、というだけで、楽しむ自然は万座+志賀高原というわけです。なぜ宿泊地が万座になったかを語り出すと長くなるのですが、ざっくり言うとホテルが減っているんですね。長野オリンピックから20年経ち、当時整備された色々なものが老朽化しているのが見られます。
さて、そんな万座の旅ですが、最近話題になっていたノロノロ台風と見事にぶつかり、二泊三日のほとんどの時間が雨でした。幸いなことに被害もなく、時折上がった雨の合間を見て、簡単なコースで山登りも楽しめましたが、ほとんどの時間はホテルで過ごしました。大広間に雨天対策として準備したワークショップ用品を持ち込み、なんと普段幼稚園で過ごすような時間を送りました。「なかじ〜ワークショップしたい!」と言ってくれるのですが、おもしろいのはワークショップがしたいと誘いに来てくれるのですが、僕の到着を待たずに何かをはじめている子どもたちです。
「ワークショップをやってほしい。」と言われるとつい、どうどうプログラムを立てるか?と考えてしまいます。せっかく山に来たわけだし、山にふさわしい内容、限りある材料でできることは何か、と考えていたんですが、気がつくと子どもたちはすでに材料や道具を手に取り、思い思いの工作や遊びをはじめていました。ここの幼稚園の子どもたちは、幼稚園の頃から自分のつくりたいものを自分の意思でつくり、彼らと築き上げて来た毎月のワークショップも、進んでいく方向は彼らとディスカッションしながら決めるスタイルになっています。"上手な"工作作品や絵画を完成させたり習得したりすることは全くもって目的ではなく、より自由な表現や遊びを自分たちの手と足と目と口と体と想像力を駆使してつくりあげていく文化です。
マニキュアが山と関係があるのか、となると元も子もない部分もありますが、普段過ごす暑い夏の前橋を離れ、気の知れた友達と過ごすことにも大きな意味があります。そしてとにかく時間がたっぷりとあるんです。普段のワークショップなら1回で4時間とこれでも他のワークショップよりも長いのですが、今回はなんと二泊三日です。大人の感覚でいうとぶっちゃけ暇です。しかし、だからこそできることがあるんです。
積み木を使ってドミノをしたり、積み上げて高さを競ったり、もちろんこれは普段の積み木遊びで行われている遊び方の一つだと思いますが、ここまで長ーいドミノに挑戦することや、大人よりも高く積み上げたりすることは意外と普段はできません。雨で外に出て遊べず、仕方なく部屋の中で過ごさなければいけない日にこそ、二泊三日で山に来ていて、引率の大人の時間もフリーな時にこそ、こうやって遊びが広がり、想像も広がっていくんだなと感じた万座の旅でした。
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