清心幼稚園の年長さんは、年中さんの頃から「とり(鳥)」をモチーフに遊んでいるとりをモチーフに、テーマに、遊んでいるという言い方が正しいのか、迷うところなのだけど、とりのぬいぐるみを自分たちでつくり、とりのために家をつくったり、学校をつくったり、様々な関わりをして遊んでいるという感じだ。彼らは僕が幼稚園に行くたびに「とりのおうちやろうよ!」と声をかけに来ては、おうちを少しずつ制作してきた。
僕は幼稚園には不定期で通っているため、全てのプロセスに関わっている訳ではなく、このとりとの関わりに関してはなぜとりになったのか詳しいプロセスなどは知らないのだけど、とりのおうちがつくりたいのだけど、自分たちではなんともならないので、アーティストであるナカジを誘おうというところだったのだろう。しかし年中の頃にやり始めた遊びが、学年が上がって教室も変わっているにも関わらず継続されていることは興味深い。年長になってからつくったおうちも知らぬ間に担任と木材でつくっていて、僕はその補強に関わった。補強に関わる前のおうちは、構造的にとても弱く、子どもたちが押せば簡単に潰れてしまうようなものだった。ただ補強と言っても作業は子どもたちが中心になって行うので、僕は知識と技術を提供するくらいで、実際にはあまり強くなっておらず、最近やはりまた傾いてきていたのだった。そこで、12月くらいから補強ついでに「リフォーム」しようということになり、狭かった部屋を広く増築したり、屋根を葺き替えたり、壁紙を張り替えたりと試行錯誤している。
新年になり、やはりまだリフォームが続いていて、今日は増築する部屋の骨組みと壁紙の張り替えを行なった。そしてさらにDVDをぶら下げた。これは本来的に言えば鳥よけになってしまうのではないだろうか?と思い、つい言ってしまった。しかし、彼らが言うには、DVDに絵を描けばOKなのだとか。既成概念にはとらわれず、遊びが継続していく環境はとてもうらやましい。隣では別のグループが人生ゲームを自作していて、とても混沌としている雰囲気もとても心地いいと思う。
卒園まであと2ヶ月。どこまで発展するかな〜。きっと完成はないんだろうな。どこまでも満足せず、足りないからつくり、楽しいからつくり続ける。これって美学だと思う。
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