WSの10年後を想像する
横浜で親しくしていただいている方々と食事をしてきました! 彼らと出会ったのは、師である日比野克彦が監修し、アーティスト五十嵐靖晃がプロジェクトリーダー(船にちなみキャプテンと呼ばれていた)を務めた横浜FUNEプロジェクトで2009年までに3年間行われたプロジェクトです。今年で最初のワークショップを行ってからなんと10年の月日が経つというから驚きです!2007年のプロジェクトスタート当時、僕はまだ大学生で、日比野さんからなんとなく横浜に呼ばれて行ってみた程度でしたが、まさか10年経っても会いに行くようになるとは思っても見ませんでした。 大学を卒業してもしばらくはこのプロジェクトに関わり、ワークショップをサポートし、横浜の方々と交流しながら過ごしました。この時間は、今ワークショップを自分の活動のメインに据えている僕にとって、職人が基礎を学ぶような、活動の礎になるものになっていることは間違いありません。
彼らと再会し、思い出話に花を咲かせ、それぞれの今とこれからについて共有する。 友人同士が当たり前に行っていることではありますが、出身地も職業も、年齢もバラバラな人たちと緊張なく話せるというのは、アートプロジェクトが生み出す関係性の醍醐味と言えると思います。 さらに当たり前の話ですが、生きるものは1年に1つ歳をとります。10年前に幼稚園児だった子どもも今では中学生になっていたり、会場を走り回っていた子どもたちが大学受験の真っただ中だったり、シニア組の方には施設に入って暮らしている話や、介護の苦労話があったり、子ども嫌いと言い張っていた20代の僕も、子どもに囲まれて過ごす30代になっていたり、時間とともに変化したものを数えるととても大きく、この10年の歴史の重みを感じることができます。
多くの”ワークショップ”は1回2~3時間程度で、同じ参加者で再度集まることはなかなかできないことですし、それと同じようにワークショップを継続的に長期間続けていくことも難しいことです。ただ、ワークショップと呼ばれるイベント的な時間は終わってしまいますが、そこで出会った人々と、10年を語り継ぐことはできるわけです。
キャプテンだった五十嵐靖晃は、このプロジェクト終了後から太宰府天満宮で千年続く祭りを目指し、くすかきというアートプロジェクトを始め、7年目を迎えていたり、僕が関わっている幼稚園との活動も、今年で6年目になります。 こういった活動も、それぞれ個々の時間や出来事も重要ですが、続いてきたことの意味がもたらすものも大きいと思います。WS参加者と10年という月日について語り合い、これからの10年を想像する、そんな時間を含めてワークショップなんだと考えています。